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薬学部・佐藤陽准教授らがケトン体の抗アレルギー作用を発見
2023.10.05 12:14

本学薬学部の佐藤陽准教授、6年生の根本妃奈さん、松本司教授、大平愼助教は、ケトン体が抗アレルギー作用を有することを発見しました。

ケトン体は、β-ヒドロキシ酪酸、アセト酢酸、アセトンからなる総称であり、食事が取れない状態や激しい運動等のとき体内で作られ、代わりのエネルギー源になります。最近では、ケトン食(糖質を制限し脂質を多く含む食事)が、体内でケトン体の生成につながり、がんやてんかんの患者さんに有効であること、ダイエットにも効果的であることが知られています。

今回佐藤准教授らは、ケトン体が、アレルギー反応を引き起こす原因となるマスト細胞の作用(脱顆粒)を抑えること、動物実験においてアレルギー疾患の一つであるアナフィラキシーショックの症状(低体温)を阻害することを発見しました。この成果は、ケトン体の抗アレルギー作用の仕組みの解明につながるとともに、今後のアレルギー疾患に対する治療、創薬研究の展開も期待されます。

本研究成果は、2023年9月27日付で、PharmaNutritionにオンライン掲載されました。

 
【発表論文】 
雑誌名:PharmaNutrition
論文タイトル:Ketone bodies inhibit mast cell degradation and protect against anaphylaxis
著者:Akira Sato*, Hina Nemoto, Tsukasa Matsumoto, Makoto Ohira
*責任著者 
DOI:doi.org/10.1016/j.phanu.2023.100359