医療創生大学いわきキャンパス

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教員の研究分野と内容 | 生命理工学専攻(修士課程:物質理学コース)担当
主な研究分野(研究室名)
研究に関するキーワード

生命理工学専攻(修士課程:物質理学コース)

梅村 一之  教授理学博士

生理活性物質の合成、有機合成化学
抗生物質、生理活性物質、有機合成化学、省エネルギー添加剤合成

ペニシリンに代表される抗生物質は、現代の医療現場で欠くことができない重要な医薬品の一つですが、MRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)やVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などの耐性菌の出現と拡がりが大きな社会問題となっています。こうしたなかで耐性菌が出来にくいチオストレプトン系抗生物質(ノシヘプチドやMDL62,879など)や新たな生理活性物質(細胞毒物質や交感神経作動薬など)の合成研究、新規反応の開発研究を進めています。

菊池 雄士  教授博士(医学)

免疫学
感染免疫、アレルギー

細菌やウイルスに対する生体防御(免疫応答)の活性化機構やアレルギー反応の抑制機構について、分子レベル、細胞レベルおよび動物個体レベルでの解析を進めている。これらの研究結果を、感染やアレルギーの診断、予防薬(ワクチン)や治療薬の開発に結び付ける事を目指している。

金 容必  教授薬学博士

微生物薬品化学研究室
天然物有機化学、分子生物学

1.新たながん分子標的薬の開発を目的として、低酸素下のがん特有転写因子であるHIF-1αをターゲットに微生物二次代謝産物から新しい分子標的を探索する。さらに化学構造を明らかにし、生理活性および作用機序を解明する。
2.新しい抗炎症薬の開発を目的として、炎症性刺激によって細胞が生産する炎症性物質の遊離を阻害する化合物の探索を行う。さらに化学構造を明らかにし、生理活性および作用機序を解明する。

坂本 直道  教授博士(工学)

生命科学(生物学)
材料工学、医療系材料

近年、「医工学」という新しい学問分野が注目を集めつつあります。医工学とは医療系の学問と工学を融合した分野です。例えば、診断装置や人工臓器など、医薬の知識だけでは作ることはできません。もちろん、それらの装置が体に悪影響を及ぼすか、という知識は工学を学ぶだけでは得られません。この場合、医療系と工学系の両方の知識を持った人材が重要視されています。

住谷 賢治  教授博士(薬学)

医療薬学
院内製剤 口腔内崩壊錠

小児や高齢者が容易に服用できる剤形に関する研究を行っている。また、様々な臨床現場で使用されている医薬品の効果が最大限に発揮され、かつ安全性が担保されているか否か、薬剤学の面から解明し、医薬品がより適正に使用されるための研究を行っている。

角田 大  教授博士(理学)

構造生物化学研究室
生物構造化学

遺伝子であるDNAは様々な要因(化学物質・放射線など)により、損傷を受けている。生体内にはそれらを修復する機能が備わっており、蛋白質がその役割を担っている。それら蛋白質の立体構造を明らかにすることで、修復のメカニズムを分子レベルで解明する。

出崎 克也  教授博士(薬学)

分子細胞生理学研究室
生理学、薬理学、糖尿病学

摂食・糖代謝の内分泌性神経性調節機構の解明とエネルギー代謝疾患(糖尿病、肥満、フレイル)の病態解明を分子・細胞・個体レベルでアプローチし、薬物治療法の開発を目指します。特に、インスリンやグルカゴン等の膵ホルモンやGLP-1等の消化管ホルモンは、血糖値、代謝、摂食、脳機能の調節に極めて重要な役割を担っており、これらホルモンの分泌調節メカニズムに関する生理学的研究を行っています。さらに病態機能の解明から新たな創薬ターゲットを見出すとともに、生活習慣病の予防や健康社会実現に向けた新たな機能性食品成分や天然物の探索研究にもチャレンジします。

奈良 武司  教授博士(医学)

分子寄生虫学研究室
寄生虫学、生化学、進化生物学、治療薬開発

私たちの研究室では、中南米で流行する寄生虫疾患シャーガス病を対象に生物学的・医学的研究を進めています。シャーガス病はトリーパノソーマという単細胞真核生物(原虫と呼びます)の感染によって引き起こされる寄生虫病で、トリパノソーマを病原体とする疾患にはアフリカ睡眠病があります。トリパノソーマ感染症は別名「顧みられない熱帯病」と呼ばれ、熱帯・亜熱帯の貧しい国々でいまだに流行しています。病原体のトリパノソーマは吸血昆虫によって媒介されるため、吸血昆虫の生息地が疾患の流行地となります(このような病気を風土病と呼びます)。日本には媒介昆虫は生息していませんが、中南米からの移民の中にはシャーガス病の抗体陽性者がいることに加え母子感染も報告されています。 シャーガス病の治療には40年以上も前に開発された治療薬がいまだに用いられており、副作用が強いため新規治療薬の開発が待たれています。

松本 司  教授博士(薬学)

免疫薬理学(腸管免疫)
漢方医薬学、多糖類、腸管免疫

経口的に用いられる漢方薬のエキス中に含まれる薬効成分が生体と最初に相互作用する場は腸管である。臨床的に観察される漢方薬の薬効の一部は、腸管免疫系への作用を介する可能性も推定される。そこで、腸上皮細胞や腸管免疫系に対する漢方薬や生薬成分の調節作用を中心に研究を行っている。

山﨑 直毅  教授薬学博士

薬化学
植物塩基、GPCRリガンド、精密有機合成

1. 三級窒素の保護–脱保護法の開発
 ヨウ化物イオンは分極力が大きく、共有結合を作り易い性質を持つ。これを利用して三級窒素の保護−脱保護法の一般化を確立する。
2. マクロライドのエーテル修飾によるプロファイルの向上
 エリスロマイシンは1箇所の水酸基を化学修飾をすること(6位-OMe化)だけで、酸に対する安定性を獲得するばかりでなく、I相代謝や排泄経路まで(良い方向に)大きく影響を及ぼすことが判っている。他のマクロライド抗生物質に対し1. で確立した方法を適用してエーテル修飾を施し、医薬品としてのプロファイル向上を図る。

加藤 茂明  特任教授農学博士

ゲノム医学研究室(加藤研究室)
分子遺伝医学、遺伝子発現制御、発癌、ステロイドホルモン、ビタミンD

ヒト遺伝(ゲノム)情報の主たる取捨選択は転写レベルで行われます。そのため、染色体DNA上にコードされた膨大な遺伝情報の読み取りには、無数の因子や仕組みがあります。ステロイドホルモンや脂溶性ビタミンA・Dは、直接遺伝情報の取捨選択を行う事がわかっております。またこの緻密かつ精巧な仕組みや、この仕組みを担う因子群に量的質的な変異が起きると、生命現象に甚大な影響を及ぼします。がんをはじめとした様々な病態の中には、このような変異で説明出来る例が多い事はわかっております。

佐藤 陽  准教授博士(薬学)

衛生薬学研究室
脂質、LDL、がん、動脈硬化、アレルギー

【脂質関連疾患の新たなメカニズムとその予防・診断・治療に関する研究】
脂質は、人間が生きるために必要不可欠な三大栄養素の一つです。しかし近年、脂質の過剰摂取や、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙、加齢などによる脂質の過酸化により、動脈硬化やがん、アレルギーなど様々な病気を引き起こすことが問題となっています。現在私達は、脂質が関連する病気の新たなメカニズムを明らかにするとともに、その予防・診断・治療薬の開発を行っています。具体的な内容は以下の通りです。
  1. 脂質が関与する生活習慣病(がん、動脈硬化など)やアレルギー疾患の新たなメカニズムとその予防・診断・治療
  2. 脂質の過剰摂取やストレス、健康食品等が健康に及ぼす影響
  3. 性ホルモンと生活習慣病、アレルギーとの関係について

丹治 貴博  准教授博士(薬学)

分子健康科学研究室
細胞生物学、生化学、分子生物学

【1.健康長寿の研究】
線虫(C. elegans)をモデルに、健康長寿をもたらす環境要因を探索します。運動能力や、加齢に伴い発症リスクが増加する様々な神経変性疾患においてその原因となる異常タンパク質の蓄積を健康長寿の指標に、食餌(栄養成分、プロバイオティクスなど)や薬物の影響を解析します。さらに、変異体やRNAi(RNA干渉)等の手法を用いて、それらの環境要因が健康長寿をもたらす分子基盤の解明を目指します。

【2.細胞内薬物送達の研究】
薬の有効成分を作用部位に効率的に到達させることで、より少ない用量で薬が効き、副作用の軽減も期待できます。近年発展が著しい中分子医薬は、細胞内に取り込まれて標的分子に作用させることができます。この細胞内や細胞小器官内への取込み機構について、線虫(C. elegans)をモデルに、細胞生物学的手法、遺伝学的手法を用いて解析します。

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