医療創生大学いわきキャンパス

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#02 Saimon × Inatsuki(1期生)
理学療法学科教員Saimon×
理学療法学科1期生 Inatsuki クロストーク
 
 
対談者紹介
齋門良紀(写真右)医療創生大学 健康医療科学部 理学療法学科 准教授
2019年本校に着任。専門は運動器理学療法、スポーツ理学療法。
稲月歩美(写真左)医療法人はやまかいせい やまぐち整形外科クリニック リハビリテーション科 理学療法士
福島県立いわき光洋高等学校卒業後、2019年本校に入学し、2023年3月に卒業。理学療法学科1期生

理学療法士として働きはじめて

齋門:稲月さんは今年(2023年)の春に医療創生大学を卒業し、現職場に就職されて約2ヶ月経ちますが、実際に理学療法士として働いてみてどうですか?

稲月:毎日が新しい発見や勉強の繰り返しです。大学や実習だけでは経験できなかったことがたくさんあると感じています。もちろん、在学中に学んだことが土台であり、私の糧になっています。今は、理学療法士として臨床に出て、自分の目標に少しずつ近づいていけるのが楽しくて仕方ないですね。

齋門:そうですか。まずは、充実した日々を過ごしているようで、教員として嬉しく思います。そして、学修を継続され、成長し、目標に向かって邁進されているとのことで、そのような稲月さんを非常に頼もしく感じます。

大学で将来の夢が見つかった

齋門:稲月さんは、在学中から明確に将来のビジョンを持っている印象があります。いつ頃から将来のことについて考えていましたか?

稲月: 私は大学入学前に妊婦さんが腰痛や体重の増加で悩んでいることを知り、何らかの形でそのような悩みを抱える妊婦さんの力になりたいと考えていました。

齋門:理学療法士としてその思いを叶えることはできそうですか?

稲月:はい。大学で学ぶ中で理学療法には専門領域として、「ウィメンズヘルス」という領域があり、実際に産前産後の女性の身体的変化により生じる様々な症状に対する理学療法が行われていることを知りました。将来は、理学療法士としてウィメンズヘルスの領域に携わりたいと考えています。現在、勤務しているクリニックの関連する施設で産前産後の女性に関わっている理学療法士の先輩がいらっしゃいます。

齋門: 大学で将来やりたいことが見つかったのですね。素晴らしいと思います。しかし、ウィメンズヘルスは、まだ日本の理学療法士には馴染みの薄い領域ですね。

稲月:大学の授業の中で、海外の理学療法の事情について取り上げられ、日本とは制度や水準に違いがあることを知りました。そのようなことが関係しているのか、海外ではウィメンズヘルスの領域の理学療法が盛んに行われているようです。

齋門:それでは、日本ではウィメンズヘルス領域の理学療法について情報を得るのが難しいと思いますが、稲月さんはどのように興味を深めていったのですか?

稲月:就職や卒業後のキャリアについて先生に相談した際、日本のウィメンズヘルス領域の理学療法の第一人者といえる先生をご紹介いただき、webで面談をさせていただくことができました。自分が興味のある領域だけの知識や技術があれば良いのではなく、まずは理学療法士としての土台を築く必要があること、その中でもウィメンズヘルス領域に携わるために必要となる知識にはどのようなものがあるかを教えていただきました。また、現在の先生の臨床における取り組みなどを伺ったことで、実際の臨床のイメージを持つことができ、夢が広がりました。

齋門:それは貴重な経験でしたね。

稲月:また、授業で論文を読むなどして調査する中で、多くの情報を得ることができました。

稲月:カリキュラムの中に「健康医療科学研究方法論1・2」や「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」という科目があります。これらは科学的根拠に基づく理学療法の手法や研究の方法について学ぶ科目です。その中で、私はウィメンズヘルス領域の理学療法をテーマに設定して課題に取り組みました。

稲月:産前産後の女性は腰痛や骨盤帯周囲の疼痛で悩まされることが多いということがわかりました。また、そのような症状に対して、理学療法士は運動療法や徒手療法を用いて治療にあたりますが、それらの効果について科学的に十分に検証されていない部分があることがわかりました。

今後の目標について

齋門:授業を通してわかったことを踏まえて、今後取り組みたいことなどがあれば教えてください。

稲月:卒業研究の科目で産前産後の女性の腰痛、骨盤帯周囲の疼痛に対する理学療法の効果を検証するための研究計画を立案しました。今後、ウィメンズヘルス領域の理学療法の臨床経験を積んで、いつか卒業研究で立案した研究計画に基づき、研究が実施できればと思っています。

齋門:それは楽しみですね。理学療法士は、臨床に携わる者として自身の理学療法の効果を正しく検証することが必要です。その際に必要な知識が研究方法論に関する知識です。正しい研究方法論に基づいて、理学療法の効果を検証することは研究活動につながります。十分な臨床経験を積み、研究活動を継続することで、指導的な役割を担うことのできる理学療法士になることができると思います。稲月さんには、そのような理学療法士になっていただくことを期待しています。
最後に、稲月さんのように大学で自身のやりたいことを見つけるためには、どのようなことを心がける必要があるか、大学で学んでいる後輩、これから理学療法士を目指す高校生にメッセージをください。

稲月:ぜひ、自分の将来を想像してみてほしいです。些細なことでも良いので、自分が幸せだと感じられることを見つけてみてください。その積み重ねが、自分の目標を見つけることに繋がるのではないかと思います。将来やりたいことが明確になると、自然と普段の行動も変わってきます。一つの大きな目標を達成するためには、たくさんの小さな目標を達成していかなくてはならないからです。大学生活は楽しいことがたくさんあります。様々な経験をして、自分が思い描く将来に向けて、共に頑張っていきましょう。応援しています。

対談日:2023年6月

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