理学療法学科2期⽣ Takahashi クロストーク
2020 年本校に着任。専門は運動器理学療法、物理療法。ニュージーランドにある大学院で学び、シンガポールにある病院での勤務経験もある。
国家試験を終えて
阿部:先日(2024/02/18),国家試験を無事終えましたね.今の気持ちを教えてください.
高橋:国家試験対策を一年間頑張ってきて無事国家試験を終えることができたので,今はとてもほっとしています.
阿部:今はどのように過ごしていますか
高橋:部屋の片付けをしたり,卒業旅行の予定があるのでその準備をしたりしています.つい先週までは,毎日朝から晩まで学校に来て勉強をしていたので,もう学校にくる必要がないことに少し呆気なさを感じています.
学生生活を振り返って
阿部:まず,医療創生大学を知ったきっかけを教えてください.
高橋:医療創生大学の指定校が高校に来ていたことがきっかけです.高校時代は部活に一生懸命に取り組んでいたため,なかなか受験勉強に取り組むことができませんでした.実は最初は他の学校に進もうと考えていましたが,そのような中で高校に医療創生大学の指定校枠があることを知りました.
阿部:指定校推薦で受験されたのですね
高橋:指定校入試制度を使用しました.元々県内での進学は考えていたのですが,県内にある養成校は多くありません.卒業後の就職も県内で考えていたため,就職の情報や実習地など色々と検討しました.結果,県内で初めて理学療法学科が開設された医療創生大学が良いと感じ指定校入試制度で受験しました.
阿部:入学後,大学での勉強はいかがでしたか
高橋:身体のことについて勉強できることがとても楽しかったです.高校時代スポーツに取り組んでいたこともあり,身体の構造や機能にとても興味を持っていました.そのような領域について学ぶことができるのはとても楽しかったです.自分の興味がある領域だけを勉強できれば楽しいだろうな,なんて思っていました.
阿部:興味がない領域もあったのですね
高橋:理学療法には多くの領域があり,その全てを勉強しなければいけないのは大変でした.自分が興味のない領域を勉強しなければいけない時もあったのですが,その時はとても苦労でした.大学に入ったら楽しいことだけを勉強できると思っていたのですが.苦手な領域についても勉強が必要であるという,その重要さを知ることができたのは実習に行ってからなんです.実習ではさまざまな患者さんや病気やケガについて知ることができました.
阿部:実習ではどのような経験をすることができましたか
高橋:入院した原因となった病気やケガだけではなく,それ以前から持っている病気やケガについても詳しく知る必要があることを学ぶことができました.それにより,苦手だと思っていた領域も,実は一人の患者さんを診るにはとても大切な知識なのだと思うことができました.それからは,苦手だと思っていた領域についても興味を持って勉強することができました.
阿部:実習はいかがでしたか
高橋:実習はとても楽しかったです.元々旅行好きだったのもあって,県外の施設に実習に行くことが決まった時は,期待でワクワクが止まりませんでした.初めて行く土地だったのですが,着いた瞬間からその土地の景色に感動したのを覚えています.
阿部:どのような実習地でしたか
高橋:整形外科クリニックでした.実習先はとても素晴らしく,働いている理学療法士の方々の姿を見ることで,自分が将来理学療法士として働いていくイメージを固めることができたと思います.
阿部:4年間で大変だったことを教えてください.
高橋:先ほどもお伝えしたとおり,苦手な分野の勉強がとても大変でした.特に神経系や循環器系が苦手だったのですが,それを克服するまでが本当に大変でした.
阿部:大変だったことを乗り越えられたきっかけはありますか
高橋:きっと多くの人がスポーツに関わりたいとか,小児に関わりたいとか,特定の分野に興味を持っている人が多いのではないかと思います.私もその一人でした.学年が進み,学ぶことが多くなっていく中で,理学療法士の幅の広さを知ることができました.「好き」や「嫌い」ではなく,「得意」や「苦手」でもない,理学療法士として多くの知識を知る「必要性」の大切さを知ることができたと思います.そのような経験は,私にとってとても大切な時間だったのではないかと思っています.
阿部:4年間で印象に残っていることを教えてください.
高橋:私たちの学年が入学した時は,まだコロナの影響で学校への通学が難しい時でした.入学式とオリエンテーションを行なっただけで,その後はまたオンラインへと逆戻りの時期でした.とても残念だったのを覚えています.
阿部:それは大変でしたね.オンラインではどのような科目を勉強していましたか.
高橋:理学療法のカリキュラムでは,1年生の最初から解剖学や生理学,運動学など,その後の専門科目へと繋がる重要基礎科目が実施されます.その科目を最初半年間オンラインで受講することになりました,直接勉強できなかったことは,とても大変でした.
阿部:まだコロナでロックダウンとかソーシャルディスタンスとか言っている時期でしたね.
高橋:それは私たちだけではなく,日本全国の同級生が経験していることですから,文句を言っても仕方がないことです.早く友達と楽しく大学生活を始めたいと思っていました.
阿部:国家試験対策はいかがでしたか
高橋:1年生から模試やオンラインでの国家試験対策などを実施していました.主に夏休みや春休みに実施するものでした.本格的な国家試験対策は4年生になってからでした.グループワークが中心だったのですが,人によって取り組み方が違い,最初はとても大変でした.私は先輩の姿を見ながら3年生から個人的に勉強をしていましたので,みんなよりも対策を早く始めていました.
阿部:早い段階から対策していたのですね
高橋:国家試験に受かって理学療法士になりたいという思いから,早い段階から先輩に情報をもらい,勉強を開始していました.
阿部:国家試験当日はいかがでしたか
高橋:国家試験には同級生全員とバスで会場近くに向かいました.会場近くのホテルに泊まり,翌日一緒に試験会場に向かうことができたので,会場で迷うこともありませんでした. 試験当日マークシートを配られて受験番号を塗る時に,「どうやっけ塗るのだっけ?」と受験番号の塗り方を忘れてしまうなど緊張もしていたし,焦ってもいました.でも「ここまで頑張ってきたのだから」と,自分に言い聞かせて取り組むことができました.今回の国家試験については,午前中が過去の問題と比べても簡単に感じたので少し余裕が持てたのですが,午後の問題がとても難しく感じ,一気に不安が押し寄せてきました.今年は今まで出題されていた傾向とは異なる問題が出題されており,今は合格発表があるまでは気が抜けないと感じています.(注:理学療法士の国家試験は,午前2 時間40 分,午後2 時間40分で実施されます)
阿部:不安に感じることもあったのですね.逆に安心できることはありましたか.
高橋:国家試験の試験会場は同級生が全員同じ教室で受験することができました.今まで何度も学校で行ってきた模擬試験と同じ並びの席だったので,とても安心しながら受験ができたと思います.
阿部:国家試験の翌日はどのように過ごしましたか
高橋:国家試験が終わり,翌日に学校に来て自己採点を行いました.その後,ロッカーを片付けて,国家試験の勉強で使った部屋を掃除しました.その日以降は卒業式までは大学にくる予定は何もありませんので,もう学校に来ることはないのがとても不思議で す.
阿部:大学に対する要望があれば教えてください
高橋:入学した時にコロナの影響が大きかったのもありますが,在学中に外の人との関わりが少なかったのはとても残念でした.その中で,医療創生大学のヘルスセンターで関わらせていただいたのはとても良い経験になりました.
阿部:コロナで外部との接触が制限されていましたから残念でしたね.ヘルスセンターについて教えてください
高橋:地域の方を招いた講演や体力測定などを実施しているものになります.健康医療科学部の先生が中心となり,地域の方々との触れ合いや,講演,体力測定などをお手伝いさせていただくことができました.そこに参加したことで,大学の外とのつながりを作ることができたと思います.今後大学にはそのような学生が参加できるボランティア活動をどんどん増やしていってもらいたいと思います.
阿部:今年からコロナで中断されていた海外留学が再開されます.
高橋:海外留学制度について,今年から再開されたと聞いて羨ましく思っています.私もタイミングが合えば行きたかったです.来年度以降継続して実施され後輩が色々な経験ができると良いと思っています.
卒業後について
阿部:将来の目標はありますか
高橋:私はスポーツに関わる理学療法士になっていきたいと思っていますが,先ほども言ったように,スポーツに関係するケガだけを見るのではなく,それ以外の部分にも目を向け,患者さんをサポートすることができるような理学療法士になりたいと思っています.
阿部:就職活動はいかがでしたか
高橋:最初は書類の書き方や面接の方法,求人がどうやってくるのかもわからず大変でしたが,大学では就職セミナーを実施してもらったりして少しずつ準備を進めることができました.先生に相談し,色々と情報を得ながら就職活動を行いました.面接の練習や提出書類なども作成に協力してもらい,無事内定を得ることができました.
阿部:どのような施設に就職するのでしょうか
高橋:私は総合病院に内定をいただきました.多くの疾患を治療することになると思います.理学療法士や作業療法士,言語聴覚士が多く勤めており,卒業後も大学院に通い,臨床と研究を行っている先輩方が多くいらっしゃいます.そのような環境の中で,1日でも早く一人前になれるように頑張っていきたいと思います.
阿部:最後に後輩たちそして医療創生大学を目指す高校生に一言お願いします.
高橋:みなさんにお伝えしたいことは,「自ら行動する」ということです.この学校の先生はとても親身になって教えてくれますし相談にも乗ってくれます.自ら行動し,その中で自分から情報を取っていくよう頑張ってください!
対談日:2024年2月