医療創生大学

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「コロナ疲れ」に負けない心理学

心理学部 臨床心理学科  増山 晃大 助教 WEB
 

現在「コロナ疲れ」を減らす心の働きとして、心理学的レジリエンス(心のしなやかさ、弾力性)を取り上げて、RE-COVER(Resilience to COVid-19 in Each Region)というプロジェクト名で世界中の研究者と一緒に研究を進めています。

今回はこのプロジェクトの一貫として、日本で行った研究についてご紹介します。
この研究では、心理学的レジリエンスの1つでもあるグリット(Grit)という心理特性を取り上げています。グリットとは「やり抜く力」と訳される近年注目を浴びている心理特性で、「興味を持ち続ける力」と「努力し続ける力」から構成されます。このグリットがストレスや不安、落ち込みを軽減するかどうかを研究しました。
その結果、グリットの中でも「興味を持ち続ける力」にストレスを軽減する効果があることを発見しました。今回の結果から、1つのモノに興味を持ち続けること、あるいはそうした心の働きを促進することで、コロナ疲れを軽減できることが示唆されました。
ぜひ皆さんも熱中できるモノを見つけてみてください。

 

【今回の論文】Masuyama, A., Kubo, T., Sugawara, D. et al. Interest Consistency Can Buffer the Effect of COVID-19 Fear on Psychological Distress. Int J Ment Health Addiction (2021). https://doi.org/10.1007/s11469-021-00564-5


【プロジェクトページ】https://re-cover.life

 

2021.06.30