医療創生大学

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障がいのある生活を想像してみる

健康医療科学部 作業療法学科 嶋田隆一助教 WEB
 

皆さんも、自分の大事にしている時間があると思います。友達と食事にいっておしゃべりしたり、1人で読書をしたり、家族のために働いたりなど、大事にしている時間は人それぞれです。そのような本人が価値・目的をもっている活動を作業療法では『作業』といっています。作業療法は、障がいがあってもその人が大事にしている作業(食べる、おしゃれする、家族のために料理をつくる、仕事にいく、など)が再びできるように支援をする職業になります。
作業療法の対象の方に、脳卒中の患者さんがいます。脳卒中は年間約29万以上の方が発症されるといわれており、多く関わる疾患の1つです。脳卒中の症状の1つに運動障害といって、障害した側の脳の反対側の腕や足が動かない、動かしにくいといった症状があります。
今まで両手で出来ていたものを、片手で行うというのは、出来ることも制限され、動きも非効率になりがちです。そこで、片手での動作の指導や自助具の使用などを通して、出来ることを増やしていくことも作業療法の役割の1つです。
私は、「生活と作業療法学演習」の授業の中で、学生に模擬的に片手動作の体験をしてもらい、自助具の使い方や片手での動作の指導方法について学んでもらっています。知識を学習することもとても大事ですが、実際に経験をすることでわかることも数多くあると思います。
頭と体を使って、作業療法の奥深さを感じてもらいながら学んでいってほしいと思います。

 

2022.05.31