医療創生大学

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保健所における行政薬剤師の役割について

薬学部 薬学科  渡部智文 助教 WEB
 

 新型コロナウイルス(COVID-19)が、まだまだ落ち着かない状況であり、その中でニュースをみると、「保健所」というフレーズを耳にする機会が多いのではないかと思います。しかし、保健所って何をするところ?薬剤師って何をしているの?と、疑問に思うことがあるかも知れません。

 

 保健所とは、疾病の予防や健康増進、環境衛生など、公衆衛生において中心的な活動を行う公的機関であり、地域住民の健康に重要な役割を持っています。その中で、薬剤師の役割は、病院や調剤薬局への立入検査等を行う薬事行政、病院・クリニック・調剤薬局の開設許可や麻薬の取締を行う薬事衛生、飲食店の衛生管理を行う食品衛生、河川や水道水の水質調査を行う環境衛生が中心でありますが、これら以外にも、地域住民への健康アドバイスや集団検診、献血推進活動など多岐に渡っており、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、地域住民の健康な生活を守るためにかかせない存在となっています。本学で学んだ専門的知識や技能は、病院や調剤薬局といった臨床の現場だけでなく、公衆衛生の現場でも十分に生かしていけると思います。

 近年の薬剤師国家試験は、より実践的な傾向が強くなり、どんどん難化していますが、メリハリをつけて勉強し、地域医療に貢献できる薬剤師を一緒に目指しましょう。

2022.07.29