医療創生大学

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「からだのしくみ」を、自分たちの“からだ”を通して学修する

健康医療科学部 作業療法学科  楊箸 隆哉 教授 WEB
 

作業療法学科では、1年生で専門基礎科目の「人体の構造」・「人体の機能」(解剖学・生理学)を学んだあと、2年生になってから「からだのしくみ」を理解する演習を行います。

その1つ「人体の機能演習」には、自分たちのからだを使って体温や脈拍・血圧・酸素飽和度などを測定するバイタルサインの演習や、心電図を測定して心臓の機能を調べたり、全身の皮膚感覚を調べたりする演習があります。

心臓機能を調べる演習では、基本的な心電図測定の演習のあと、「心拍変動」というのを調べてもらっています。

心臓の鼓動は皆さんご存じのように一定のリズムを持って刻んでいますが、実は呼吸に合わせて早くなったり遅くなったりばらつくのです。

このばらつきを「心拍変動」と呼び、自律神経のうち交感神経が強く働き副交感神経が抑えられると変動幅が小さくなり、逆に副交感神経が強く働くと変動幅が大きくなることがわかっています。

演習では、学生に暗算をしてもらって緊張させたり、逆に深呼吸によりリラックスしてもらったりして、この変動幅が増減するのを確かめ、自律神経の影響を学習します。

緊張したときに深呼吸をすると、副交感神経が働いてリラックスにつながるのだ、という「からだのしくみ」を、自分たちのからだを通して実感できる演習です。

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2022.10.31