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“患者さんを理解すること”
看護学部 看護学科 長谷川 幹子 教授 WEB
みなさんは病気になった時、不安になって誰かに気持ちを聞いてほしくなった経験はありませんか。患者さんは病いを患い、痛みがあったり、身体が思うように動かなかったり、仕事を休まなければならなかったり、さまざまな不安や苦しみを抱えていて、誰かに気持ちを聞いてもらいたいと思っています。
そのため、看護師は患者さんがどんな気持ちなのかを理解し、それぞれの患者さんに応じたケアを提供しなければなりません。そうすることで患者さんの安心感を高め、回復を促すことができるからです。
しかし、他人の気持ちを理解することは簡単ではありません。一般的に、私たちは他人の気持ちを理解するには“共感”や“同感”によって可能になると考えますが、哲学者の鷲田清一さんは「そんなことは人間には不可能」だと言っています。私もその通りだと思います。
でも、だからといって、看護師は“患者さんを理解すること”を止めません。むしろ、患者さんのことが「わからない」からこそ、「なんとかわかろうとする」のです。もしかすると、このような「患者さんを理解したい」という看護師の気持ちや姿勢こそが、“患者さんを理解すること”なのかもしれませんが断言はできません。
“患者さんを理解すること”とは、一体、どういうことなのか・・?
本学では、このような“看護”に関する事柄を、講義や演習、実習、ゼミなどを通して、みんなで考えていきます。
みなさんも、一緒に探究してみませんか!?
2024.02.29