人間の行動を科学的に解明し、心理学を広く社会へ役立てる。
心理学とは、人間の行動を科学する学問です。みなさんが想像する以上に、幅広いテーマが研究されています。
人間の行動を科学するためには、まず私たちが周りにある環境をどのように知っているのかを理解すること( 知覚心理学 )が必要です。
知ることのできた情報をどのように覚えたり考えたりするのか( 認知心理学 )、新しい知識や行動をどのように学習するのか( 学習心理学 )も、人間の行動を科学する際に必要な知識です。
さらに私たちは、一人で生活しているわけではありません。人との関わりの中での人間行動の特徴( 社会心理学 )や、生まれてから亡くなるまでの心身の変化( 発達心理学 )も、心理学では重要な研究テーマになります。つまり、人がいるところには必ず心理学が関わっているのです。
将来、カウンセラーを目指す場合は「臨床心理学(応用心理学分野)」を学ぶ
将来、カウンセラーを目指す場合は 臨床心理学(応用心理学分野) を学ぶ必要があります。「臨床」とは「ベッドサイド」という意味で、臨床心理学とは、主に心の病気、心の傷等、心の健康に関する学問です。
ストレス社会と言われて久しい現代社会では、学校や職場での人間関係、発達障害、うつ病、不登校、ひきこもりなど、心に関わる困りごとを抱えている人や心を理解してほしい人が多数存在します。臨床心理学では、他の心理学の知識を統合して、その人の心」を理解し、関わるための知識を学びます。
学びの中で、100%の正解が存在しない人の心の多様さに触れるでしょう。皆同じようにはいかない「心の援助」の奥深さは、臨床心理学の学びの難しさであり、面白さです。そして、その学びは臨床場面での知識にとどまらず、日常生活の中で、人とのよりよいコミュニケーション力、対人関係やストレス対処の力となります。
心理学の分野
- 知覚心理学
- 認知心理学
- 学習心理学
- 社会心理学
- 発達心理学
- 臨床心理学
本学部には、幅広い心理学の分野を基礎から応用までしっかり教えることができるさまざまな心理学の専門教員が揃っています。
心理学を知っている社会生活のあらゆる場面で役に立ちます。
たとえば立ち話をしているとき、相手が近すぎると不安になったり、不快になったりします。これは、相手が私たちのパーソナル・スペースに侵入しているためだと考えられます。
パーソナル・スペースとは、私たちの身体の周りにあるある種のなわばりで、そこに他人が入ってくると落ち着かない、不快な、あるいは不安な気分になります。こうしたパーソナル・スペースの特徴を知っていると、いろんな場面に利用できます。
パーソナル・スペースの大きさは個人によって違うので、相手も自分と同じだと思って自分の距離を取っていると、パーソナル・スペースの大きい人には不快感をあたえることになりかねません。
レストランやカフェなどで席の配置を考えるときにもパーソナル・スペースの知識は利用できます。ゆったりとくつろげる雰囲気がコンセプトならば、座席間の距離は広めにするとよいでしょう。背後のパーソナル・スペースはやや狭いのが一般的です。ですから、座席後方の距離は狭くしてもいいかもしれません。グループで楽しく過ごせる雰囲気を作りたいなら、グループ席は狭い方がいいかもしれません。このように、パーソナル・スペースの特徴を知っていると役立つ場面は案外多いのです。