医療創生大学いわきキャンパス

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看護学部生のための新型コロナ予防通信(4/15)
2020.04.15 14:00

4月15日(水) 今日のテーマ「公衆衛生学・疫学・保健統計学と看護学の架け橋」

ヒトとウイルスとの闘い
現在新型コロナインフルエンザの蔓延や、昨年の風疹の流行など、感染症、特にウイルス感染症が大きな社会問題となっています。知らず知らずに感染し、いつのまにか広がって大きな流行を生むウイルス感染に対する不安感大きいものでしょう。ウイルスに関する記録を遡ると、3000年にチグリス・ユーフラテス川領域での麻疹の流行があったという記録があります。わが国でも、平安時代にインフルエンザが流行したとの記録もあります。人とウイルスとの闘いは昔からの長い歴史があったのです。
 
命のリレー
でも、一つ言えるのは我々の身体の中にあるDNAは、ウイルスとの闘いに常に勝利してきたDNAなのです。私たちの身体の中のDNAの半分はお父さんから、半分はお母さんから引き継いでいます。そしてお父さんはそのまたお父さんやお母さんから授かってきたものです。人類が生まれてきてから永遠に命をリレーしてきたということが出来ます。子孫を残す前にウイルスとの闘いに敗れてしまったDNAは命をバトンタッチできない、と考えれば、今、私たち身体の中にあるDNAは常にウイルスとの闘いに勝利してきたのだと言うことができます。
 
知識は恐怖を凌駕する
2003年SARSが発生した時、WHOはSARSという病気と、SARSに対する恐れの二つに対して闘わねばならなかったと言っています。当時WHOは「Knowledge dispels fear(知識は恐怖を凌駕する)」と宣伝し、人々の恐怖を取り除こうと懸命でした。リスクという言葉があります。リスクとは危険度を示す概念ですが、危険(率)と表現したほうがより正しい用語でしょう。つまり、私たちはリスクと聞くと「安全」か「危険」か、ゼロイチで判断しがちですが、安全と危険の間には相当の「(率)幅がある」ものと考えてください。そして、「今どのあたり置かれているのだろう」と冷静に考えてみて下さい。
 
温故知新(昔の事をたずね求め(=温)て、そこから新しい知識・見解を導いていきましょう)
1918年に世界を席巻したスペイン風邪の時、当時の内務省は「はやりかぜ」にかからないためには(1)病人に近づくな(2)人の集まる所には入るな(3)マスクをつけよ-などと呼び掛けたそうです。そうやって、我々人類はウイルスと闘ってきたのです。そして、産まれたての赤ちゃんからお年寄り全ての人を守り、20万年前から脈々と繋がってきた命のバトンタッチを繋げていきましょう。