医療創生大学いわきキャンパス

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新しい作業療法のための学びについて ー道具の話からー
2021.05.14 15:30
佐野 博一 助教

 作業療法は文字通り、障害があってもその人が望む作業(食べる、移動する、仕事する、等々)ができるよう、色々な手を尽くして考えます。
 その作業を行うための設備や道具が、その人にとって適切かどうかを見極め、調整を行うことも作業療法士の大事な仕事です。その人の動作や作業工程を分析して、その人専用の道具を作ることもあります。
 既製品でも、障害の有無に関わらず使いやすく作られているものがあり、これらを「ユニバーサルデザイン」と言います。
 その人専用の道具作成も以前は全部手作業でしたが、最近はパソコンと3Dプリンタを使って簡単に修正や複製ができ、質の良いものが効率良く安価にできるようになってきました。
 ユニバーサルデザインのような便利な道具も、3Dプリンタのような機器も、日々新しいものが開発され、進化しています。
 作業療法士は医療職ですが、医学だけではなく地域の生活文化やこのような使いやすい製品・最新のもの作りテクノロジーなど学ぶことは多くあります。
 こういった多くの領域をまたいだ進化のアップデートはとても楽しく、夢が広がります。
 学生のうちから多くの分野の知識に触れ、新しい作業療法の可能性を学んでいってもらいたいと思います。

3Dプリンタで出力した道具(thingiverse.comよりダウンロードしたデータを使用)
①紙パックを開けやすくする道具
②鍵を操作しやすくする道具
③④ペットボトルの蓋を開けやすくする道具
こういった道具は「自助具」と呼ばれており、作業療法士がしばしば関わります。