【看護学科】シンガポールで開催された World Sleep 2025(世界睡眠学会)にて、ポスター発表を行いました! | 医療創生大学

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【看護学科】シンガポールで開催された World Sleep 2025(世界睡眠学会)にて、ポスター発表を行いました!
2025.09.12 15:30
 2025年9月7日から10日まで、シンガポール・サンテック国際会議・展示場で開催された World Sleep 2025(世界睡眠学会) において、看護学科長・野崎裕之らの研究グループは、ポスター発表「Exploratory Study of Sleep-wake Patterns in People with Schizophrenia Residing in the Community」を行いました。
 
 本研究は、地域で生活する統合失調症の方々を対象に、
・主観的評価(ピッツバーグ睡眠質問票:PSQI、WHO障害評価スケール:WHODAS 2.0)
・客観的評価(アクチグラフによる連続7日間の測定)
を組み合わせて実施し、睡眠・覚醒リズムの特徴と生活機能との関連を探索的に検討したものです。
 
 その結果、
・睡眠の質と生活機能には関連傾向が認められること
・自己申告と客観的測定に1時間以上の乖離がみられる例があること
・約半数の参加者に24時間リズム(体内時計)からの位相ずれが確認されること
が明らかとなり、統合失調症のある人々に対する睡眠支援の重要性が示唆されました。
 
 さらに発表会場では、欧米やアジア各国を中心とした研究者と意見交換を行いました。特にブラジルやロシアは、日本と同様に「精神科病床が多く、地域移行が十分に進んでいない」という共通の課題を抱えており、入院中心から地域生活支援への転換が重要視されている点で状況が似ています。そのため、地域に暮らす人々の生活実態や睡眠リズムに焦点を当てた本研究には大きな関心が寄せられ、活発な議論が交わされました。こうした交流は、国際的な研究動向を学ぶとともに、今後の共同研究やネットワーク形成へと発展する可能性を広げる大変有意義な機会となりました。
 
 なお、世界睡眠学会は2年に一度開催され、次回は2027年9月10日~15日にカナダ・モントリオールにて開催予定です。本学研究グループは、今回の成果を礎としてさらに研究を発展させ、次回学会でも新たな成果を国際社会に力強く発信してまいります。私たちは、地域に根ざした研究を世界につなげ、精神科領域における睡眠研究の発展に継続的に貢献していきます。