【海外活動レポート】古川勉寛教授(総合医療学部 理学療法学科・大学院 生命理工学研究科)がインドネシアの国際会議にて招待講演。「心」をデータ化する最新研究と、国境を越えた対話
2026年6月3日〜4日、インドネシア・北スマトラ州のメディストラ・ルブク・パカム健康科学大学(IKM LP)にて開催された国際会議『INTERNATIONAL CONFERENCE 2026』において、本学 総合医療学部 理学療法学科 および 大学院 生命理工学研究科の古川勉寛教授が、日本からの招待講演者(Invited Speaker)として招聘されました。
本学(福島県いわき市)を拠点に行われている先進的な研究発表や、現地の学生たちとの熱気あふれる国際交流の様子をご報告します。
「心地よさ」を科学する。日本発の最先端アプローチ 医療従事者に求められる「患者に寄り添う」という姿勢。古川教授の研究は、その主観的な感覚をさらに深く探究し、科学的根拠(エビデンス)として客観化することに挑んでいます。 患者がリハビリテーション中に感じる「快適さ」や「不安」といった“目に見えない感情”を、脳波や筋電図などの電気生理学的指標とテクノロジー(感性工学)を用いて、データとして数値化するという画期的なアプローチです。
アジア各国の気鋭の研究者が集結した本会議において、古川教授はメインスピーカーの一人としてこの文理融合的な最新研究についてプレゼンテーションを行いました。大学院 生命理工学研究科の知見も活かされた、データサイエンスと人間中心のケアを統合した日本の研究内容は、現地の医療専門家や研究者から高い関心を集め、活発な学術的意見交換が行われました。

3つの言語が交差する熱気。教壇を降り、国境を越えた「真の対話」 会議に併せて、現地の大学で理学療法を学ぶ数百名の学生に向けた特別講義も行われました。
古川教授は現地の文化への深い敬意を表し、伝統的な特製シャツ「バティック」を着用して登壇しました。 国際会議のゲストという立場でありながら、古川教授が現場で重んじたのは「学生とのフラットな対話」でした。
講義の合間には自ら教壇を降りて学生たちの輪の中に入り、同じ目線で双方向のディスカッション(アクティブ・ラーニング)を展開。その際、英語だけでなく、自身の母語である日本語、さらには自ら歩み寄って「片言のインドネシア語」も交えながら熱心に語りかける古川教授の姿がありました。
「語学力の優劣や国の経済水準、教員と学生といった立場に関わらず、同じ学問を志す対等な同志として向き合いたい」。 不完全であっても相手の言語を使い、真摯に心を通わせようとする多様性を尊重する姿勢は、現地の若者たちの心を打ち、会場は理学療法という“世界共通の言語”を通じた深い共感と笑顔に包まれました。
グローバルな視点を、いわきのキャンパスへ還元 今回の訪問を通じ、古川教授は次のように語っています。
「高度な医療技術やデータサイエンスはこれからの時代に不可欠ですが、それに真の命を吹き込むのは、多様な文化へのリスペクトと、人と人との温かい繋がりです」
将来、医療専門職を目指し探究学習に取り組む高校生や、より高度な学問を志す学生にとって、先進的なサイエンスとグローバルな視野に触れることは極めて重要です。医療創生大学では、今回のような教員の国際的な最前線での学術活動とネットワークを、学部および大学院におけるいわきキャンパスでの日々の教育・研究へとダイレクトに還元しています。
本学はこれからも、確かな研究基盤と多様性を尊重する教育を通じて、地域社会から国際社会まで広く貢献できる「次世代の医療専門職および研究者」の育成に邁進してまいります。