【研究成果】大学院生命理工学研究科 高橋愛輔氏らの共同研究論文が、リハビリテーション医学領域の国際学術誌に掲載されました ―― 臨床現場の真摯な問いを世界基準のエビデンスへ ――
医療創生大学大学院 生命理工学研究科 博士後期課程3年の高橋愛輔氏(大原綜合病院勤務・理学療法士)、本学総合医療学部 理学療法学科の古川勉寛教授、小林大介准教授、ならびに春山大輝客員助教による共同研究論文が、リハビリテーション医学分野において歴史と権威ある国際学術誌『Archives of Physical Medicine and Rehabilitation』に掲載されました。
同誌は米国リハビリテーション医学会(ACRM)の公式ジャーナルであり、世界中の研究者や医療従事者が参照する影響力の高いトップジャーナル(インパクトファクター4.0)です。本学を拠点とする臨床研究が、厳格な査読を経て国際的な評価を受けた形となります。
論文掲載の喜びを分かち合う共同研究者たち。左から指導教員の古川勉寛教授、筆頭著者の高橋愛輔氏(大原綜合病院/本学大学院 博士後期課程3年)、小林大介准教授。高橋氏の手には、臨床計量・実装科学研究室(LCIS)のロゴと掲載論文が掲げられています。(※本研究は本学客員助教の春山大輝氏とともに強力な連携のもと推進されました
臨床現場の真摯な問いを「臨床計量学」で紐解く
本論文は、脳卒中後の患者様における「固有感覚(身体の位置や動きを感知する感覚)」の評価指標について、その信頼性と妥当性を科学的に検証したものです。 リハビリテーションの現場において、患者様が抱える目に見えない感覚の障害を正確に評価することは、適切で安全なケアを立案する上で不可欠な第一歩となります。 本研究は、古川教授が主宰する臨床計量・実装科学研究室(LCIS)を学術的基盤とし、「臨床計量学(Clinimetrics)」の視座から、日々の診療に用いられる評価指標の精度を客観的なデータとして実証しました。机上の空論ではなく、実際の臨床現場に直結するこの成果は、目の前の患者様に対する理学療法をより精緻なものへと導く重要な意義を持ちます。
臨床と研究の融合 ―― 働きながら培われた「圧倒的な自走力」
筆頭著者を務めた高橋氏は、地域の基幹病院である大原綜合病院にて理学療法士として第一線で従事しながら、本学の社会人大学院生として研究活動に邁進してこられました。 臨床業務の中で生じた切実な問いを出発点とし、指導教員らとの垣根を越えたフラットな対話、そして試行錯誤の中で培われた「圧倒的な自走力」が、今回の国際的な成果へと結実しました。地域の医療機関から世界水準の研究を発信できるという事実は、日夜臨床に励む地域の医療従事者の皆様にとっても、一つの希望や励みになるものと確信しております。
「知の拠点」としての大学の役割と、次世代への還元
本学は、研究を単発の論文発表で終わらせず、社会を動かす「実装」へと飛躍させることを教育・研究の重要な理念としています。将来、医療専門職を目指し探究学習に取り組む高校生の皆様や、より高度な学問を志す学生にとって、最新のサイエンスと温かな人間中心のケアが交差する本学での学びは、確かな臨床力と思考力を育む大きな原動力となります。
医療創生大学はこれからも、確かな研究基盤と多様性を尊重する教育を通じて、地域社会から国際社会まで広く貢献できる「次代の医療専門職および研究者・教育者」の育成に歩みを進めてまいります。

掲載誌である『Archives of Physical Medicine and Rehabilitation』は、米国リハビリテーション医学会(ACRM)の公式ジャーナルです。厳しい査読を経て、本学発の質の高い臨床研究が、客観的な科学的根拠(エビデンス)として国際的に認められました。
論文情報
- 論文タイトル: Test-Retest Reliability and Convergent and Discriminant Validity of the Proprioception Measures in Poststroke Patients
- 著者: Aisuke Takahashi, Daiki Haruyama, Daisuke Kobayashi, Katsuhiro Furukawa
- 掲載誌: Archives of Physical Medicine and Rehabilitation
- 掲載URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0003999326006490