会場には卒業生を中心に150名が訪れました。講義は田嶋先生が日本文学を志したきっかけから話しが始められ、後に専門研究として取り組むことになる、ちりめん本へと話題が進みました。ちりめん本は、日本がヨーロッパ文化の吸収にあせり、汲々としていた鹿鳴館時代の明治18年から、英語版で出版された海外輸出向けの本です。
本に記された昔噺の内容は八岐大蛇や海幸山幸などの古代説話や、中世、近世に流行した説話文学。美しいちりめん様の和紙に印刷され、錦絵の挿絵がふんだんに使われていました。
田嶋先生は、このちりめん本について、日本がどのような文化を持つ国として紹介されたのかを紹介しました。また、講義の中で「日本文学の研究は、一生をかけて続ける学問。今後の人生でも研究にいそしみたい。」と話され、いわき明星大学での25年にわたる講義を締めくくりました。

自身の思い出について話す田嶋教授