有意義な4年間の学びを通して、
生涯のキャリア獲得を目指してください。
健康医療科学部長 Goh Ah Cheng(ゴウ・アー・チェン) 教授
( 世界理学療法の専門グループ・国際物理療法学会 会長)
本学部は、学生交流や国際共同研究を推進することを目的に、マレーシアのUniversiti Tunku Abdul Rahman(UTAR)、Universiti Teknologi MARA(UiTM)、Mahsa University(MAU)、 シンガポールのSingapore I nstitute of Technology(SIT)、インドネシアのUniversitas Aisyiyah(UNISA)と国際交流協定を締結しています。
2019年にはMAUの学生が短期留学生として本学で約1カ月間学びました。2020〜2021年は新型コロナウィルス感染症感染拡大の影響で 海外客員教員によるオンライン授業のみとなりましたが、2022年は健康医療科学部長らがUNISAを訪問して特別講演を行いました。
2023年は健康医療科学部長、理学療法学科主任がUTARを訪問して本理学療法学科の運動器理学療法学の授業内容「超音波エコーを使用した肩関節の評価」についてのワークショップで講師を務めました。同年、SITとUTARの学生が短期留学生として本学部で学びました(健康医療科学部 短期留学プログラム)。
その際は、本学部生の希望者で国際交流ボランティアのグループを構成し、短期留学生が楽しく、安心していわきキャンパスで学ぶことができるよう、親交を深める歓迎セレモニーを開催しました。授業では、グループワークおよび講義・演習など通して一緒に勉強しました。
独自に作成した短期留学プログラムの中で、学生は語学の壁を乗り越えて積極的に交流する姿を見せてくれました。毎年、定期的に健康医療科学部 短期留学プログラムを実施する予定です。
これからの時代、健康の維持・増進から病気の予防・治療までを連続的に捉えて、対象者の多様性に対応しながら「QOL(Quality of Life:生活の質)」を高めることに貢献できる理学療法士と作業療法士が求められます。
本学部では、健康・医療課題を理解し、解決に導くための「科学的思考」を身につけ、臨床と科学を実践できるクリニシャン・サイエンティスト(Clinician-Scientist)の養成を目指すとともに、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)にふさわしいヒューマニズムや倫理観の修得をめざし、学内演習教育の充実を図りました。
卒業後も本学部教員は、卒業生の科学的思考が醸成することを支援するために、学会発表のサポートや臨床症例の相談を受けるなど、ここで学んだ絆を大切にして継続支援をしています。さらに、卒業生が十分な臨床経験を積んだ後、働きながら大学院で学ぶことを支援する体制も整えています。
本学で学ぶ4年間は、あっという間に過ぎてしまうと卒業生は言います。
本学部の教員は、理学療法士免許や作業療法士免許を取得してから5年、10年、20年、30年と社会人経験を重ねてきました。そこで改めて気づくことは、「学びに終わりが無い」ということです。
同僚や先輩・後輩、患者様等から学ぶ機会が沢山あります。その機会に気づくことができるかどうかは、皆さんの好奇心次第かもしれません。
無理に好奇心を高めようとしても、好奇心を高めることができません。好奇心を高めるためには、「理解できること」と「実行できるようになること」の2つがとても大切です。
そのため、本学部では、理解できるようになることを支援するための講義授業科目と実行できるようになることを支援するための実技演習授業科目を組み合わせて、カリキュラムを設計しています。
また、仕事における課題を解決するためには、考える力とコミュニケーションがとても大事だと考えています。
考える力を向上させることは、簡単なことではありません。本学部のカリキュラムでは、様々な可能性を考えて行う実技演習授業科目がありますので、「考える学び」の楽しさを経験する中で、少しずつ考える力の向上を目指していきます。
そして、患者様とコミュニケーションをとることを筆頭に理学療法士や作業療法士は、積極的にコミュニケーションを取ることを大切にしています。クラスメイトや友人、知人、家族等とのコミュニケーションが、皆さんの生活の基本であるように、正確な医学用語を使用した専門職種間のコミュニケーションは、チーム医療の基本です。
本学では、臨床経験・国際経験豊かな教員陣の下、特徴的なカリキュラムによって学生の将来のキャリアのために短期目標である国家試験合格に向けた教育、中期目標である専門家としての技術習得に向けた教育、長期目標である生涯学習が継続できる様になるための教育を提供することで、次世代の医療技術者を養成します。
学部設立の背景には、福島県に医療・保健・介護・福祉人材が不足し、量的充足と質の向上が求められていたことがあります。
本学部は、福島県初の4年制大学におけるOT・PT養成課程です。医療機関と密接に連携し、「健康寿命の延伸」及び「地域包括ケアシステムの構築」に貢献する実践的な臨床科学者(クリニシャン・サイエンティスト,Clinician-Scientist)の養成に取り組みます。
クリニシャン・サイエンティストとは、病院や施設で作業療法士や理学療法士として活躍しながら、最新の作業療法や理学療法について学び続けられる人材を表しています。
多くの臨床現場において、新人作業療法士・理学療法士が職場内での症例報告発表や各種学会での発表を実施していますので、クリニシャン・サイエンティストを目指すことは、臨床で活躍するためにも良いと考えます。
なお、本学部は、学部誕生した令和元年度(2019年度)から病院や施設で働く理学療法士や作業療法士の方を本学生命理工学研究科(旧 理工学研究科)で受け入れ、クリニシャン・サイエンティストを目指した教育を展開しています。
これまで、大阪府、山梨県、神奈川県、千葉県、茨城県、福島県、宮城県から大学院生を受け入れ、Goh Ah Cheng学部長、古川勉寛 副学部長、阿部裕一理学療法学科主任、齋門良紀 教務・総務リーダー、小林大介 臨床実習リーダー、岡野怜己 国家試験対策リーダー、佐藤惇史 学年主任、北山淳 作業療法学科主任(令和5年度退職)、三好圭准教授(令和5年度退職)、荻原久佳 准教授(令和3年度退職:現 名古屋女子大学 医療科学部 理学療法学科准教授)が兼務して教育実践をして参りました。
令和6年度から、理学療法士の博士号取得を支援するため、Goh Ah Cheng教授、阿部裕一教授、齋門良紀教授、古川勉寛教授、小林大介准教授の5名体制になります。博士課程でも教育を行う教員が学部生の教育を担いますので、その専門性を各回の授業に取り入れて授業を行います。
※2:医療・介護現場の変化に応えるため、近年はOT・PT養成の教育水準が高度化しています。海外には修士(大学院卒)以上にOT・PT資格が与えられる国も多く、日本でもOT・PTを養成する大学が増加しています。
健康医療科学部長 Goh Ah Cheng(ゴウ・アー・チェン) 教授
( 世界理学療法の専門グループ・国際物理療法学会 会長)