医療創生大学いわきキャンパス

授業情報

公開講座(平成26年度)

平成26年度秋季(第54回)公開講座

大学が地域学校へ支援する環境エネルギー教育(2014/11/22)

 いわき市では、太平洋沿岸の学校が東日本大震災時、津波により甚大な被害を被りました。加えて原発事故に伴う放射線風評被害により様々な形で影響を受け、復興の妨げとなりました。

 災害時、電気・水道等のライフラインが遮断される中、学校が避難所となり支援に取り組む教職員の殆どが災害時に役立つ防災教育の重要性を認識しました。そして、今般の事故についての報道番組では、様々な人々が放射線について異なる見解や情報を主観に基づいて発信するため、恐怖感を抱き判断に困る保護者が学校現場に不安を寄せる結果となりました。

 こうしたことから、災害時に求められる「生きてはたらく防災教育」「放射線に関する基礎知識を育む教育」「将来を見据えた環境エネルギー教育」を実施するカリキュラム構築が重要となりました。今回は、学校現場と大学との連携による放射線教育及び環境エネルギー教育の実践について、観察・実験を交えて紹介します。

リタイア後の黒田官兵衛 黒田官兵衛(如水)と連歌(2014/11/15)

 この講座は、NHK大河ドラマの主人公、黒田官兵衛(如水)のリタイア後の生活に焦点を当てたものです。官兵衛は慶長5年(西暦1600年)の関ヶ原の戦いののち隠居しました。 4年後の慶長9年に59歳で亡くなるまで、彼は「連歌」という文芸に熱心に取り組み、文学創作の面でも優れた才能を発揮しました。

 官兵衛が夢中になった「連歌」とは、どのようなものなのでしょうか。官兵衛が作った句を読みながら、明智光秀や豊臣秀吉ら、戦国大名が好んだ「連歌」の魅力を解説します。軍師として有名な黒田官兵衛の、知られざる一面をお伝えしたいと思います。

平成26年度春季(第53回)公開講座

セルフメディケーションについて考える(2014/6/21)

「医薬品のネット販売」

 前半は昨年来話題になっている医薬品ネット販売について、利点と欠点を考え、医薬品がネット販売に至った経緯から今後のセルフメディケーションについて考えていきます。

「後発医薬品」

 後半はテレビコマーシャルでもよく流れている、後発医薬品(ジェネリック医薬品)について解説し、後発医薬品とは何か?なぜ今、後発医薬品なのか?後発医薬品の問題点は?など、後発医薬品の変遷を紹介しながら後発医薬品について考えていきます。

産業関連分析と環境問題 ~風格ある地域社会を創るために~(2014/6/14)

 原発事故以降、電力供給の逼迫が日本経済にとって大きな過重になる、と言われています。一方、林業等は太陽の中心部での核融合反応による無償のエネルギー(太陽光)を利用して、素材を生産する、いわば最先端の核エネルギー利用型産業、と考えることもできます。

 そこで、各産業の実質的な電力の使用量に違いがあることを考慮に入れて貿易の問題を考えると、日本は林業を素材生産の源流部門の一つとして位置づけ、その方向に輸送機械部門等の労働資源の一部を振り向けることが望ましい、との予測結果も得られます。

 こういった予測を数量的に行うには、産業連関分析と呼ばれる方法が有用です。当講座では 、その原理を簡単に説明し、上記のような問題にどのように応用されるのかについて解説します。

「間違い」から見えてくる心のはたらき(2014/6/7)

 見間違い、聞き間違い、思い違い、記憶の間違い。私たちは、日常生活の中で、ついついちょっとした間違いをしてしまうことがあります。これらの「間違い」は、うっかりしていた、ぼんやりしていたなど、個人に責任があると考えられがちです。しかしながら、最近の認知心理学では、ある条件の下で「間違ってしまうことは」実は正常な心のはたらきである、という見方がされるようになってきています。つまり、ある種の「間違い」は心の誤作動ではなく、むしろ、私たちの心が正常に機能した結果であるという考え方です。

 本講座では、知覚・記憶・推論などの認知と呼ばれる心のはたらきを対象に、どのような条件の下で「間違い」が起きるのか、そしてそれはどのような心のはたらきを反映したものなのか、について考えていきます。