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薬学部 山﨑勝弘 准教授 が「日本生薬学会功労賞」を受賞しました
2012.09.21 11:00
薬学部
 本学薬学部の山﨑勝弘准教授(薬学博士 社会薬学部門担当 専門は医薬品製剤の品質規格・品質評価に関する研究 生薬・漢方製剤・健康食品中の有効成分・有害成分分析法の開発)が、このたび、日本生薬学会第59回年会(9月17~18日、千葉県木更津市)において、平成24年度日本生薬学会功労賞を授与されました。
 受賞した研究課題は「生薬製剤・漢方製剤の品質確保を通した生薬業界・漢方製剤業界への技術的発展への寄与」と「生薬・漢方製剤中の指標成分および毒性成分の迅速・簡便分析法の確立」の2題です。

 山﨑准教授は、30年近くにわたって、天然薬物(生薬、漢方薬、ハーブ等)の生理(薬理)活性、成分分析の研究を行ってきました。その中で、様々な天然物から構成される生薬製剤や漢方製剤が医薬品であるにもかかわらず、その品質や有効性に大きな差があることに着目し、製剤の品質評価法の重要性について指摘し、患者・消費者が安心して服用できる製剤を生薬・漢方製剤メーカーが開発、製造、さらに品質管理を行うための技術的なサポートを行ってきました。
 一方、生薬・漢方製剤には薬効を有する指標成分が存在するものの、天然物由来であるため、マトリックス(夾雑物)からの抽出法や分析法の設定が困難なものが多く、品質規格を設定するための分析法の確立が急務でした。その一方で、製剤中に予期せず混入することがある農薬やアリストロキア酸(ウマノスズクサ科由来の腎毒性を有する成分)などの毒性成分を簡便に測定する必要も業界や行政から切望されていました。これらの問題を解決するために、製剤の試料溶液を固相抽出法で夾雑物を除去するなど、製剤中の指標成分や毒性成分を迅速・簡便に分析する手法を順次確立していきました。

 これらの実学的な研究成果が、実際に生薬業界・漢方製剤業界への技術的発展に寄与し、かつ生薬学の分析分野への発展に貢献したものとして、功労賞を授与されたものです。本当におめでとうございます。


山﨑 勝弘 准教授