医療創生大学いわきキャンパス

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“腰曲がり”と理学療法
2023.09.29 09:00
齋門 良紀 准教授

理学療法士は、“動作”の専門家と呼ばれることがあります。寝返り、起き上がり、立ち上がり、歩行など、日常生活を送る上で必要な動作の能力を維持、または改善することで、対象者の“生活の質(Quality Of Life:QOL)”の最大化を目指すのが理学療法士の仕事です。

これらの動作は様々な原因によって障害されますが、その原因の一つに脊柱後弯、いわゆる“腰曲がり”があります。脊柱後弯になると、立位での動作や歩行が障害され、QOLが低下することが分かっています。これまで、脊柱後弯は積極的な治療の対象とはされていませんでした。脊柱後弯は加齢とともに自然に生じ、腰が曲がる年齢になれば、立ったり、歩いたりすることが少なくなっていたからです。そのため、理学療法による脊柱後弯の予防・治療方法は確立されていません。しかし、最近、健康寿命・平均寿命が延びたことで、年齢を重ねて腰が曲がっても、立って、歩いて、活発に活動する高齢者が増えており、脊柱後弯に対する治療が行われるようになってきました。

そこで、私は理学療法による脊柱後弯の予防・治療方法の確立に向けて研究を行っています。時代のニーズに合わせて、人々の“動作”を改善することで“QOL”の最大化に貢献したいと思います。