医療創生大学いわきキャンパス

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本学薬学部教員が武田科学振興財団の研究助成を受けました
2013.12.02 09:00
薬学部 薬学科
 本学薬学部 角田准教授 が、この度「公益財団法人 武田科学振興財団 2013年度 薬学系研究奨励」に選考され、その贈呈式が去る11月12日にシェラトン都ホテル東京にて行われました。
 武田科学振興財団による研究助成事業は1963年の財団設立以来、科学技術に関する独創的、先端的な研究に対して助成を行っており、角田准教授に贈呈された薬学系研究奨励は、薬学分野の進歩・発展に貢献する先駆的な研究に対して助成を行うものです。
 研究題目は「構造化学的アプローチによる抗多剤耐性HIV薬の開発」です。角田准教授は、本学部設立時から田中 晴雄 初代学部長とともにHIVがヒト細胞へ感染することを阻止するこれまでには無い新しいHIV感染予防薬の開発についての研究を行ってきました。
 土壌に住む放線菌から見つかったアクチノヒビンというタンパク質は、HIVの表面を包み込んでいる外套タンパク質にある多数の糖鎖と結合することで、HIVが細胞へ侵入することを阻止する強い働きを持っています。角田准教授は、このタンパク質を医薬品として利用するために、どのようなしくみでHIVの働きが抑えられるのか、その立体構造を明らかにすることで、詳しく知ることに挑戦しています。
 また、本研究は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙環境利用センターが推進する宇宙実験のうち、2009年から始まった「医薬品などの開発につながる高品質なタンパク質の結晶を宇宙でつくる」プロジェクトにも採択されています。このプロジェクトは、医薬品開発のもととなるタンパク質の立体構造の解明に必要となる良質なタンパク質の結晶を国際宇宙ステーション(ISS)の無重力環境を利用して生成しようとするものです。
 今回の贈呈を期にこれまでの研究がさらに進展することが期待されると共に、本学学生の皆さんにも研究者・医療人としての夢や希望を与えるものと思われます。
 本当におめでとうございました。

薬学部 角田 大 准教授