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作業療法士の就職先は?活躍の場を高校生にわかりやすく解説!

作業療法士の就業先は、「どの領域で働くか」によって決まります。領域は4つに大別されます。

現状では、作業療法士の半数程度が【身体障がい領域】で勤務。次いで【老年期障がい領域】【精神障がい領域】、全体の数パーセントが【発達障がい領域】で活躍しています

これら4つの領域について、「就業場所はどこになるのか」「どんな仕事ぶりが求められるのか」をそれぞれわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことで、作業療法士の活躍フィールドや就業先がわかるようになります。就職先のイメージがつくことで、作業療法士という職業に対する理解がさらに進むはずです。ぜひ最後までご覧いただき、進路選択の参考にしてください。

作業療法士の就職先1【身体障がい領域】

対象患者

病気やケガ、事故の後遺症などで身体に障がいが残った方

勤務先
 一般病院

ここでいう一般病院とは、いわゆる総合病院や大学病院など20以上の病床を有する比較的規模の大きい病院を指します。入院や治療が長期にわたるケースが多いため、身体的なリハビリのみならず精神面の負担にも寄り添いながら、状況に応じたリハビリが求められます。

一般病院に勤務する作業療法士は、以下のとおり急性期・回復期・慢性期とさまざまな状態にある患者さんのリハビリを担当することも特徴です。

【急性期】

病気を発症した直後や手術後などの患者さんに対して、全身のリスクを管理しながら機能訓練や日常生活動作訓練を行います。

【回復期】

病状が安定している患者さんに対して、機能訓練や日常生活動作訓練に加え、家事や就労など社会復帰を念頭においたリハビリを行います。

【慢性期】

病状は安定しているものの、治癒が困難で継続的なケアを必要とする患者さんに対して、身体機能や日常生活動作能力を維持するためのリハビリを行います。

 クリニック、整形外科

病床を設置していない、あるいは病床数が19以下の病院で活躍している作業療法士もいます。入院患者よりも外来患者がメイン対象となり、新たな患者さんに対するリハビリが中心になるため、リハビリプログラムを企画・作成するところから携わる機会が多くなります。

 リハビリテーションセンター

主に脳卒中、外傷性脳損傷、脊髄損傷、手足の切断などで障がいを負った方を対象とする施設です。機能の回復・向上にむけたリハビリはもちろん、残された機能をいかに活用するかといったトレーニングも行います。

 身体障がい者福祉センター

身体に障がいをもつ方とその家族を対象とした各種相談窓口のほか、スポーツやレクリエーションの指導、デイサービス事業などを行う施設です。

作業療法士の就職先2【老年期障がい領域】

対象患者

加齢や認知症で認知機能や身体機能が低下したお年寄り(65歳以上)

勤務先
 介護老人保健施設

介護を必要とする高齢者を対象に、在宅復帰をめざすためのリハビリを行う施設です。生活能力の向上を見すえた各種訓練はもちろん、リハビリ方法を高齢者のご家族に対してアドバイスすることも仕事のひとつです。

 特別養護老人ホーム

要介護レベルが高く、在宅での生活がむずかしい高齢者の入所施設です。長期にわたる入所が前提になるため、身体の機能維持を目的としたリハビリはもちろんのこと、利用者一人ひとりがその人らしい人生を送れるような幅広い支援が求められます。

 デイサービスセンター

介護を必要としながら在宅で生活する高齢者が、介護サービスやリハビリを受けるために“通う”かたちで利用する施設です。作業療法士はリハビリやレクリエーションの企画および実施をメインに行います。

 訪問看護ステーション、訪問リハビリテーション

高齢者のご自宅や入所施設に訪問する形態の働き方です。高齢者が住み慣れた生活環境の場でリハビリを行います。

作業療法士の就職先3【精神障がい領域】

対象患者

こころの病気(統合失調症、うつ病など)や認知症の方

勤務先
 精神病院

統合失調症やうつ病などに悩む患者さんに対して、日常生活および社会生活への適応をめざしたリハビリを行います。「できない」の原因がメンタル面にあるため、その根本にあるものを分析しながら、患者さんの感情に寄り添ったトレーニングを重ねていきます。

 メンタルクリニック

前述の精神病院とは対象的に、病床を設置していない、あるいは病床数が19以下の病院で活躍する作業療法士もいます。

 精神科デイケア

統合失調症やうつ病などに悩む方が、社会復帰・復学・就労などをめざしてリハビリプログラムを行う通所施設です。スポーツ、レクリエーション、創作活動など、さまざまなグループ活動を通じて訓練を重ねます。

作業療法士の就職先4【発達障がい領域】

対象患者

自閉症、知的障がい、学習障がいなどの子ども

勤務先
 小児病院

小児(新生児~15歳まで)を対象とした病院です。障がいをもった小児に対し、遊びや学習の要素を効果的に取り入れながら、心身の成長・発達を促すリハビリを行います。

 発達障がい者支援センター

発達障がい者を総合的に支援する専門機関です。自閉症や知的障がいを患った子どものリハビリを行うことはもちろん、医療・保健・福祉・教育などの機関と連携することで、障がい児のご家族に対する助言や相談の窓口としての機能もあります。

 児童福祉施設

作業療法士が活躍する児童福祉施設には、通所(児童発達支援センターや通所支援事業所)と入所(障がい児入所施設)があります。

【通所】…児童発達支援センター、通所支援事業所

通所の場合、比較的軽度な症状である場合が多く、身体機能訓練や集団生活に適応するためのリハビリが中心となります。

【入所】…障がい児入所施設

重度な障がいを患った児童が入所する施設です。日常生活の場が施設内となるため、日常的なリハビリプログラムのみならず、児童の“暮らしやすさ”や“住み心地”にまで気をくばった支援を行います。

 特別支援学校・幼稚園・保育所

障がいのある子どもを対象とした教育機関です。小・中・高に対応した特別支援学校は、全国各地に1000校以上設置されています。自立的な学習および学校生活をめざすべく、さまざまなトレーニングプログラムで支援していきます。

作業療法士の就職先5【その他】

前述してきた4領域以外にも、作業療法士の活躍フィールドはあります。割合は低いですが、以下のような勤務先に勤めるチャンスもあります。

 行政機関

保健所や保健センターにおいて健康に関する啓発活動などの企画・運営を担ったり、職業訓練施設において障がいをもつ方の就労支援をしたりと、行政機関に勤務する作業療法士もいます。

 一般企業

リハビリ器具や福祉用具を扱う会社で病院・施設向けに提案や操作指導を行う営業職、さらには大手企業などの人事部門で障がい者採用の担当者として活躍するケースもあります。

 大学・短大・専門学校

大学・短大・専門学校といった作業療法士の養成機関で「教員」としてキャリアを積む道もあります。教員になるためには現場での実務経験が必須となるため、将来のキャリアパスのひとつとして考えておくとよいでしょう。

作業療法学科について詳しく知りたい方はこちら

いかがだったでしょう。作業療法士の活躍場所について、なんとなくのイメージを持てたのではないでしょうか。

作業療法士という職業に少しでも興味を持たれた方は、まず「作業療法学科」を有する大学・短大・専門学校などの資料請求をおすすめします。どの養成施設も各ホームページから無料で無料を請求できますので、気軽にトライしてみてはいかがでしょう。

ちなみに、この記事を書いた医療創生大学にも作業療法学科があります。資料請求は、以下よりお気軽にどうぞ。

 

また、作業療法士についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。本記事の「活躍場所」のほか、「仕事内容」「理学療法士との違い」「給与」「将来性」「なり方」「国家試験」をわかりやすくまとめています。

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