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作業療法士の将来性とは?医療系志望の高校生にわかりやすく解説!

「作業療法士」という職業の将来性について、わかりやすく解説します。

結論からいうと、作業療法士は非常に将来性の豊かな職業といえそうです。「求人がない」「働き先がない」…なんてことはなく、資格を持っていれば今後も引く手あまたの存在となるでしょう。

では、どういった観点で「将来性がある」といえるのか。そして、将来性のある職業といえる背景には何があるのか。医療系分野の進路を検討している高校生が理解できるように、わかりやすく説明していきたいと思います。

作業療法士はなくならない仕事!?

AI(人工知能)をご存じでしょうか?高校生のみなさんも、一度は耳にしたことがあるはずです。AIとは、わかりやすくいうと「人間に近い知能を持ったコンピュータやロボット」のようなもので、自ら学習する特徴を持ちます。

このAI技術やロボットの進化により、「10~20年後には49%の職業が代替可能になる」という研究結果が2015年に発表されました(※)。つまり、今後「なくなる仕事」がある、という衝撃の事実が伝えられたのです。

※野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究による(2015年)

果たして、作業療法士という職業は将来的にどうなってしまうのでしょうか。

以下の図表をご覧ください。

出典:「日本におけるコンピューター化と仕事の未来」/野村総合研究所、マイケル A. オズボーン、カール・ベネディクト・フレイ

こちらの表は、自動化の可能性が最も低い職業(10選)を表しています。作業療法士は…というと、自動化が可能になる確率は、わずか0.1%と示されています。この研究結果だけを見ると、「なくならない仕事」ということがいえそうです。

これが、作業療法士が「将来性のある職業」といわれている具体的事実のひとつです。

アメリカでは作業療法士が “ 憧れの職業 ” って本当?

そんな「なくならない仕事」のひとつに数えられている作業療法士。実は、欧米では社会的地位の高い職業として認知されています。

事実、アメリカで発表された「2019年最優秀職業ランキング(※)」では、全米で13位にランクイン。医療の先進国であるアメリカやヨーロッパでは、作業療法士という職業に就いていること自体が、ひとつのステータスなのです

アメリカでは作業療法士として活躍するには修士課程以上が必要など、作業療法士に関する制度が日本の現状とは大きく違いますが、いずれ日本においても、“憧れの職業”になる可能性を秘めた職業といえるかもしれません。

※時事解説雑誌「U.S.News & World Report」により、職種としての成長率、将来の展望、給与などの項目で審査された。

作業療法士の将来が明るい理由①

ではなぜ、作業療法士の将来は明るいといえるのか。その背景には、超高齢社会があります。高齢者(65歳以上)が全人口の約3割を占める超高齢社会。今後もしばらくは、65歳以上の人口増加が続くと予想されています。

高齢になると身体機能や認知機能が衰え、日常生活に支障が出てくるようになります。病院に通ったり、介護施設に入所したりするのは、そのためです。高齢者が増えると、病院や施設でリハビリを必要とする患者さんの割合も増加します。つまりリハビリの専門職である作業療法士の需要は高まる一方だといえます。

また、従来では高齢になると病院や施設に入所することが当たり前でしたが、高齢化が進む近年ではセルフメディケーションを推進する動きが活発になってきています。セルフメディケーションとは、自分自身で健康の維持・増進や病気の予防・治療にあたることです。一人ひとりの高齢者ができるだけ自立した生活を送れるよう、その支援を重視する社会になりつつあるのです。

そこで期待されているのが、作業療法士の存在です。これまで作業療法士は病院内や施設内でのリハビリ業務がメインでしたが、今後は自ら地域に出ていき、病気や認知症を予防する働きかけを行うなど「新しい活躍ステージ」が需要として出てくる可能性が充分に考えられます。

作業療法士の将来が明るい理由②

作業療法士の需要が高まっている理由は、超高齢社会だけではありません。ストレス社会を起因としてメンタル面に不安を抱える人々が増加傾向にあることも、背景のひとつです。

たとえば、これまで性格や個性とみなされていた精神疾患や発達障がいが、医学の発展などにより、病気や障がいと認定されることもめずらしいことではなくなりました。そうした心の病や障がいが本人の日常生活に支障をきたす場合、作業療法士に声がかかるケースも増えつつあります。

前述したように、AIやロボットの技術進化により将来的になくなる仕事があるといわれてはいますが、“人の手”によって行われるメンタルケアや人に寄り添う支援は、AIやロボットにはできません。身体的なリハビリだけでなく、精神的なケアまで行える作業療法士ならではの存在価値はそこにあります。

作業療法学科について詳しく知りたい方はこちら

いかがだったでしょう。作業療法士の将来性や需要について、なんとなく理解いただけたのではないでしょうか。

作業療法士という職業に少しでも興味を持たれた方は、まず「作業療法学科」を有する大学・短大・専門学校などの資料請求をおすすめします。どの養成施設も各ホームページから無料で資料を請求できますので、気軽にトライしてみてください。

ちなみに、この記事を書いた医療創生大学にも作業療法学科があります。資料請求は、以下よりお気軽にどうぞ。

 

また、作業療法士についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。本記事の「将来性」のほか、「仕事」「活躍場所・勤務先」「理学療法士との違い」「給与・年収」「なり方」「国家試験」をわかりやすくまとめています。

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